前歯が斜め・受け口・ガタガタ…乳歯の歯並びが気になる!これって治すべき?
【監修医:矯正歯科学会 認定医&指導医 増岡 尚哉】
乳歯のすきっ歯やハの字や斜めに生えてくることは問題ないことが多いです。しかし実際に問題があるのかどうか判断に迷う親御様も多いかと思います。本記事ではご家庭でできるかんたんなチェック方法をご紹介します。
【目次】
1、乳歯は”すき間”があるのが理想的
2、気になる乳歯の歯並び、早急な治療が必要な症状と不要な症状がある
・早急な治療を必要なく、経過を見たい症状
3、早急な治療を考えたい症状
・適切な治療開始時期・年齢は?
4、乳歯の悪い歯並びが及ぼすリスク
5、乳歯の歯並びを悪くする原因
6、歯並びを悪化させないためにすべきこと
・ 歯並びを悪化させる癖・習慣をやめさせる
・予防矯正を始める
7、乳歯の歯並びが気になったらお気軽にご相談ください!
乳歯は”すき間”があるのが理想的
<乳歯はすきっ歯が正常!>
後から生えてくる永久歯の大きさは、乳歯の1.5〜2倍です。そのため、乳歯の時に隙間がないと、”永久歯が生えるスペース”がなくなってしまいます。永久歯はスペースがなくても生えてくるため、歯並びがガタガタ・八重歯になってしまいます。
そのため、乳歯列には”霊長空隙”・”発育空隙”と呼ばれる、永久歯が生えるための隙間があるのが正常です。
<乳歯はまっすぐに生えてくる方が珍しい!>
乳歯は、ハの字や斜めに生えてくることが圧倒的に多いです。
顎の成長によって、正しい向きに変わっていくため心配は入りません。
気になる乳歯の歯並び、早急な治療が必要な症状と不要な症状がある
すきっ歯・ハの字や斜めに生えている乳歯は問題ないことが多いです。しかし、反対咬合・開咬・上顎前突・叢生・乱ぐい歯に関しては早急な治療を要します。その理由について解説します。
早急な治療は必要なく、経過を見たい症状
上記でもご説明したように、以下の2つに関しては、成長とともに改善されるため、経過を見て問題ないといえます。
<乳歯はすきっ歯が正常!>
後から生えてくる永久歯の大きさは、乳歯の1.5〜2倍です。そのため、乳歯の時に隙間がないと、”永久歯が生えるスペース”がなくなってしまいます。永久歯はスペースがなくても生えてくるため、歯並びがガタガタ・八重歯になってしまいます。
<乳歯はまっすぐに生えてくる方が珍しい!>
乳歯は、ハの字や斜めに生えてくることが圧倒的に多いです。
顎の成長によって、正しい向きに変わっていくため心配は入りません。
早急な治療を考えたい症状
<反対咬合>
受け口のこと。下顎の歯が上顎の歯より前に出ている状態。
▷▷▷奥歯に負担がかかりやすく、歯磨きもしにくく虫歯のリスクを高める
<開咬>
奥歯をかみ合わせた時に、上下の前歯がかみ合っていない状態。
▷▷▷食べ物がうまく噛みきれなかったり、顎関節症のリスクが高まる
<上顎前突>
出っ歯のこと。上顎の歯が下顎の歯より大きく前方に突き出している状態。
▷▷▷口が閉じにくいため、口腔内が乾燥しやすく虫歯のリスクを高める
<叢生・乱ぐい歯>
前後に歯が重なり、デコボコしている状態
▷▷▷歯磨きがしにくいため、虫歯のリスクが高まる
※日本矯正歯科学会は、乳歯列の反対咬合が永久歯列期に自然に治ったのはわずか6%であったと発表しており、自然に治る可能性が低いことが分かっています。
そのため、”反対咬合”に関しては、早めの治療が望ましいとされています。
適切な治療開始時期・年齢は?
▼反対咬合
3歳頃から治療可能。
他の歯列不正の場合は、前歯部の永久歯が生えそろう時期から治療を開始しますが
反対咬合に関しては早めの治療を推奨しています。
▼開咬
1期治療であれば6〜12歳。2期治療は永久歯が生えそろう小学校高学年〜
▼上顎前突
1期治療であれば6〜12歳。2期治療は永久歯が生えそろう小学校高学年〜
▼叢生・乱ぐい歯
前歯部の永久歯が生えそろう時期(7〜8歳頃)
乳歯の悪い歯並びが及ぼすリスク
<反対咬合>
奥歯に負担がかかりやすく、歯磨きもしにくく虫歯のリスクを高める
<開咬>
食べ物がうまく噛みきれない・発音への影響・顎関節症のリスクが高まる
<上顎前突>
口が閉じにくいため、口腔内が乾燥しやすく虫歯のリスクを高める
<叢生・乱ぐい歯>
歯磨きがしにくいため、虫歯のリスクが高くなる
他にも、
<傾いた歯がある>
永久歯の生えてくる位置の邪魔をしてしまい、歯並びに影響する
乳歯の歯並びを悪くする原因
<反対咬合>
遺伝・顎の成長期の悪習癖・下顎の過成長・上顎の劣成長
<開咬>
指しゃぶり・口呼吸・低位舌・舌を出す、歯に押し付ける癖
<上顎前突>
指しゃぶり・口呼吸・低位舌・上顎の過成長・下顎の劣成長
<叢生・乱ぐい歯>
指しゃぶり・口呼吸・低位舌・歯と顎の大きさのバランスの乱れ
その他に、
<猫背>
重心がかかとにかかり、下顎が後ろに引っ張られ出っ歯になるリスクが高まる
<唇や爪を噛む>
上下の歯に強い力を与え、上顎前歯が前へ出る・下顎が前後に乱れる
以上のことが歯列不正と歯列不正を引き起こす原因です。
歯並びを悪化させないためにすべきこと
歯並びの悪化を防ぐためにできることを項目ごとに分けて詳しく紹介します。
歯並びを悪化させる癖・習慣をやめさせる
乳歯の歯並びの悪化を防ぐためにできること・注意すべきポイントがあります。
●指しゃぶり
吸っている指が前歯を押し、開咬・上顎前突の原因になります。
▷▷▷乳歯が生え始めたころからやめられるようにしましょう。
●うつ伏せ寝
顔を押し当てることで歯が圧迫され歯列不正を引き起こします。口呼吸にもなりやすく、その結果、上顎前突になることもあります。
▷▷▷横向き寝も片方に力がかかるので、仰向けで寝るようにしましょう。
●頬杖
片方に力がかかり、交叉咬合(歯列の途中が交叉している状態)や、左右非対称の歯並びの原因になります。
▷▷▷頬杖をつく癖は、気が付いたらしないようにし、早めに治しましょう。
●口呼吸
舌が下方に下がり、上顎が上手く拡がることができず、上顎前突や開咬の原因になります。また舌が歯を押し出し叢生にもなります。
▷▷▷テープを利用したり、できるだけ鼻呼吸を意識しましょう。
●爪を噛む
上下の歯に強い力を与え、上顎前歯が前へ出る・下顎が前後に乱れる
▷▷▷しっかり睡眠をとり、健康的な食事を心がけ、ストレスケアをしましょう。
●よく噛んで食べる
よく噛んで食べることで顎の発育が促されます。片方だけで噛むのではなく、左右バランスよく噛みましょう。
▷▷▷左で10回・右で10回・両側で10回の合計30回は噛めると良いでしょう。
予防矯正を始める
<予防矯正とは>
専用のマウスピース装置とトレーニングを行うことで、歯列不正の原因である口呼吸や、低位舌の改善・飲み込み・姿勢等を改善し、正しい顎の発達による綺麗な歯列を獲得する治療のことです。
<予防矯正のメリット>
- 悪い癖を取り除くことで正しい成長を促せられる
- 健康に良い影響がある
- 抜歯せずに歯列を正すことができる
- 従来の矯正治療より早く終わる
- むし歯や歯周病になりにくくしてくれる
- 価格が安価
- 正しい舌の位置・正しい口腔周囲筋の使い方が身につけられる
- 痛みが少なく治療を進められる
- 後戻りが少ない
悪い歯並びの原因である悪習癖・生活習慣から改善する予防矯正はとても重要であるといえます。
乳歯の歯並びが気になったらお気軽にご相談ください!
エムアンドアソシエイツ矯正歯科では、歯並びを整えるだけではなく、予防矯正の相談にも対応しております。
特に、体が成長途中にあるお子様は予防矯正の効果が得られやすく、口呼吸や低位舌の改善、飲み込み・姿勢等を改善し、正しい顎の発達による綺麗な歯列口呼吸を改善することで正しい歯並びへ誘導することができるのです。
エムアンドアソシエイツ矯正歯科ではお子さまの矯正についても無料カウンセリング・ご相談を受け付けております。
当院はマウスピース矯正による治療を専門に行う矯正専門クリニックです。お気軽に足を運んでいただき、まずはカウンセリングでご希望や心配点・疑問点などお聞かせ下さい。
それではあなたからのご相談をお待ちしております。