矯正治療で抜歯後、隙間はいつ埋まるの?
【監修:増岡尚哉】
歯列矯正で抜歯が必要として診断されると不安になる方もいらっしゃると思います。抜歯が必要かどうかは、歯の状態や目指すゴールによって判断されますが、近年では抜歯を希望されないケースも増加傾向にあります。今回は、矯正治療の「抜歯」にまつわるお話をしていきます。
【目次】
1、矯正治療の抜歯あり・なしはどのようにして決まるのか?
・抜歯を行う場合のメリット・デメリット
・矯正治療で抜歯をする前に知っておきたいこと
・抜歯をして矯正を行う治療の例
2、マウスピース矯正なら抜歯のあり・なしの治療シミュレーションが可能です
矯正治療の抜歯あり・なしはどのようにして決まるのか?
ご存じの通り、歯列治療は矯正の装置を使って歯を徐々に移動させていきます。歯を移動させ、キレイに並べるためにはある程度のスペースを確保する必要があります。
患者様の中には歯に対して顎が小さい方、また逆に顎のサイズに対して歯が大きい方もいます。こういった場合には、抜歯を選択することで、理想的な歯並びを実現できる場合が多くあります。
歯を抜かずに治療ができればそれにこしたことはありませんが、症例によっては抜歯が必要になる場合や、抜歯をした方が、より理想の歯並びに近づけることができるケースもあります。
抜歯を行う場合のメリット・デメリット
<抜歯するメリット>
- 口が閉じやすくなる
- 上下の歯のバランスも良くなる
- 口元が綺麗になる
<抜歯するデメリット>
- 健康な歯を抜く必要がある
- 歯を抜くことへの精神的な負担
- 矯正後にスペースが余って歯と歯の間に隙間が残ることがあります
矯正治療で抜歯をする前に知っておきたいこと
<痛み>
多くの方は歯を抜く瞬間の痛みを心配されますが、歯を抜くときは麻酔をするので、そこまで痛くないことがほとんどです。麻酔が切れた後に傷みをともなう事が多いですが、痛み止めを服用する事である程度抑える事ができます。
痛みは数日すると落ち着く事が一般的ですが、強い痛みが続く場合は歯科医院での受診をお勧めします。
<隙間はいつ埋まる?>
抜歯した後はどうしても隙間が空きます。そのため、見た目がきになると思いますが、徐々に閉じてきます。
抜くタイミングにもよりますが、期間としては半年から1年ほどで気にならなくなる事が多いです。
抜歯をして矯正を行う治療の例
<歯の大きさが顎に比べて大きい場合>
現代人の食生活では柔らかい食べ物が増え、顎の発達が促されないため小さな顎になる傾向があります。
顎の歯が並ぶスペースが小さくなっているのに対して歯の大きさは変わらないので、歯が収まりきらずに歯並びはデコボコした状態になってしまいます。
その状態で抜歯をせずに無理やり矯正を始めると、歯茎が下がったり噛み合わせに支障が出たりするため注意が必要です。
<上下の顎のズレが大きい場合>
上顎と下顎の位置のズレが大きいと、噛み合わせや歯並びに大きな問題が出てきます。
顎のズレの治療法としては外科手術という方法もありますが、大がかりな手術はできるだけ避けたいものです。
抜歯をすることでスペースが確保できるのであれば、大きく歯を移動させる事ができるため、手術なしで歯並びの矯正が可能になります。
マウスピース矯正なら抜歯のあり・なしの治療シミュレーションが可能です
マウスピースの矯正治療では、治療が終わった後の自分の歯並びを治療前に確認する事が出来ます。
シミュレーションを見る事で抜歯をしないといけないのかも確認する事が出来ます。
将来の歯並びを確認できるのは、矯正治療を考える方にとっては大きな安心材料となる事間違いなしです。始めようか悩んでいる方は是非、一度シミュレーションで将来のご自身の歯並びを確認して見ませんか?