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名駅MAブログ

【監修:増岡尚哉】


笑った時に見える自分の歯。人より小さいかも?と感じられる方は意外と多くいらっしゃいます。

実際に歯が小さい場合と、歯の縦横のサイズがアンバランスのために歯が小さく見える場合があります。

今回はそれぞれの原因と気になる治療法について解説していきます。

【目次】
1、歯が小さく見える三大原因
 ①矮小歯
 ②ガミースマイル
 ③歯のすり減り
2、歯を大きくする主な治療法
 ①ラミネートべニア
 ②セラミッククラウンなどの歯冠補綴
 ③ダイレクトボンディング
 ④歯肉整形
3、歯を大きくする治療にはリスクを伴う
4、歯並びのバランスを整える「歯列矯正」という選択

歯が小さく見える三大原因

歯が小さく見える原因は

  1. 一般の歯の大きさより小さい「矮小歯」
  2. 笑った時に歯茎が多く見える「ガミースマイル」
  3. 噛みしめや歯ぎしりで歯がすり減っている

以上の3つが挙げられます。一つずつ詳しくお話していきます。

①矮小歯

矮小歯は歯の退化現象といわれ、一部の先天的に小さい歯のことをいいます。

原因ははっきりわかっていませんが遺伝、発育段階のビタミンD不足によるものと言われています。

上顎側切歯(真ん中から2番目の歯)や親知らずによく見られ、円錐状、蕾状をしています。これらの歯は元々不要な歯として退化する傾向が強い歯なので、矮小歯として現れるのではないかと考えられています。

矮小歯だからといってすぐに治療をしなければいけないということではありません。ですが長い目で見ると見た目やかみ合わせのトラブルに繋がることがあります。

・すきっ歯
生まれつき一部の歯が小さいと、隣の歯との間に隙間ができ、いわゆる「すきっ歯」になります。
すきっ歯というだけで歯並びが悪く見えるほか、隙間側に歯が倒れると歯列が歪んでくるので実際に歯並びがガタついてしまいます。

・かみ合わせ
上下にかみ合う歯の一部が小さい歯だとかみ合わせのバランスが悪くなります。
その影響で顎関節の痛み、頭痛や肩こりの原因になる事があります。

・むし歯、歯周病のリスクが上がる
歯と歯の間に隙間があると、食べかすがつまりやすくなります。
歯並びもガタついていると歯磨きがしにくいので汚れが溜まり、むし歯や歯周病のリスクが上がります。

②ガミースマイル

ガミースマイルとは笑った時に上の歯の歯茎の割合が多く見えることで相対的に歯が小さく見えることをいいます。

笑うと目立つ歯茎が気になって思いっきり笑えないというコンプレックスを抱える方もいらっしゃいます。

ガミースマイルの主な原因を挙げます。

・上顎の骨格の問題
上顎が縦に長く、前に飛び出して過剰に成長すると、歯と歯茎が自ずと前に出てしまうのでガミースマイルになってしまいます。
ガミースマイルの多くがこの上顎の過剰成長が原因といわれています。

・歯の長さ・大きさと生える位置の関係
歯茎の過剰な発達により、歯が歯茎に覆われて歯の長さが短く小さくなるので歯茎が目立って見えます。
ほかにも歯が生えている位置が低い場合も歯茎の面積が広くなるので相対的に見て歯茎が目立つ原因となります。

・上唇を引き上げる力が強い
上顎の骨格や歯並びに問題がない場合でも、笑った時に上唇が過剰に引き上げられ歯茎が多く見えることがあります。
これは上唇を引き上げる口周りの筋力が強いために起こる先天的なものなので遺伝する可能性もあります。

③歯のすり減り

歯を食いしばる・噛みしめる・寝ている時の歯ぎしりの様に歯を軋ませることで、硬い歯と歯同士が強くこすり合わされ、互いにすり減って小さくなっていきます。

この食いしばりや噛みしめ・歯ぎしりの原因となるのは、無意識に行っている場合は主にストレスと言われています。

ほかにも重い物を持ち上げるような力が必要な仕事をしている方や力の入るスポーツをしている方に多く見られます。

食いしばり・噛みしめを放置していると

  • 歯がしみるようになる
  • 詰め物が取れやすくなる
  • 歯と歯の間に隙間ができる
  • かみ合わせが悪くなる
  • 歯が折れる

以上のような症状が出てくることがあります。

また、歯だけの問題ではなく顎関節にも悪い影響を与えることになり、顎の痛みや顎関節の変形に繋がることが考えられます。

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歯を大きくする主な治療法

歯や歯茎の大きさが原因でガミースマイルになることがあります。

骨格や歯並びなどいくつかの原因が複合した結果でガミースマイルになるため、歯茎だけが原因というわけではありません。

歯に歯茎が被っている、平均よりも歯が小さいことでも歯茎などが強調されるためガミースマイルになるケースがあります。

①ラミネートべニア

矮小歯のように元々歯が小さい場合や、すきっ歯などのケースでは「ラミネートべニア」という治療法が主に行われます。

ラミネートべニアとは、歯の表面を少しだけ削り、見た目が歯に近い薄いセラミックのチップを歯の表面に貼り付ける方法です。

<メリット>
・少しの隙間であれば歯と歯の隙間を埋めることができる
・歯に近い自然な見た目になる
・比較的高額ではない

<デメリット>
・歯の表面を少しだけ削る
・歯の表面にチップを貼るのでチップの厚み分が生じてしまう

<費用>
・保険は適用されない。1本5万円~10万円程度

ラミネートべニアはネイルチップのように歯の表面に貼り付けるものなので、歯と歯の間が大きく空いている場合や、噛み合わせが悪い場合、むし歯がある場合は適さないので注意が必要です。

②セラミッククラウンなどの歯冠補綴

セラミッククラウンなど歯冠に被せ物をする治療は、色や形、大きさを整えることができます。

そのため矮小歯や歯と歯の間に隙間がある場合には、歯を大きくして隙間を埋めることができます。

むし歯になっている歯や根管治療で変色している歯の治療にも使われます。

<メリット>
・歯の大きさや形、色を整えられる
・強度があるので長い間壊れる、変色の心配が少ない。
・歯に近い自然な見た目になる。

<デメリット>
・歯を大きく削る必要がある
・被せ物の劣化による再治療が必要になるケースもある

<費用>
・保険は適用されない。1本5万円~10万円程度

セラミック以外の素材もありますが、かみ合わせなどを精査した上で適した材料を選ぶことが大切です。

③ダイレクトボンディング

歯科用プラスチック「コンポジットレジン」を直接歯に盛って歯と歯の隙間を埋めるように歯を成形して大きくすることができます。

主にむし歯治療で使われるコンポジットレジンですが、歯と歯の間に隙間がある場合には元の歯を削らずに詰めることができます。

<メリット>
・1日で治療が完了する
・歯を削らずに隙間を埋められる(むし歯の場合は最小限削る)
・むし歯治療と同時に行うと保険が適用される

<デメリット>
・変色しやすいのでメンテナンス(研磨や詰めなおし)が必要になるケースもある
・強い衝撃で欠けることがある

<費用>
保険が適用される場合は1本1500円~3000円程度
保険が適用されない場合は1本10000円~30000円程度

コンポジットレジンは強度の問題もあるので、大きな隙間には適用されません。

④歯肉整形

被りすぎている歯茎(歯肉)を削ることで歯を大きく見せる治療です。

歯肉を切除できる可能な範囲は3mm程度ですが、主にガミースマイルの様に歯肉が歯より多く見える場合や歯肉のラインが揃っていない場合に歯肉を整形する治療です。

<メリット>
・歯を削らずに歯が大きく見える様にできる
・口元のコンプレックスが解消される
・1日で治療が完了する

<デメリット>
・元の位置に歯茎が戻る場合がある
・知覚過敏や炎症が起きることがある
・歯と歯の間の歯肉が退縮することで隙間ができることがある

<費用>
・保険は適用されない。1本4万円~6万円程度

顎の骨格や大きさ、上唇を引き上げる筋力が過剰なガミースマイルの場合は歯肉整形だけでは改善されないこともあります。

歯を大きくする治療にはリスクを伴う

歯が小さく見える原因と治療法のお話をしてきましたが、ご自身の歯にはどのような治療法が適しているか、必ず精密な検査とカウンセリングが必要になります。

また、治療費の面や治療期間も気になるところです。以下のリスクを検討してみましょう。

<ラミネートべニア>
・歯を少し削る
・一度貼り付けると色の変更ができない
・保険が適用されない

<セラミッククラウンなどの歯冠補綴>
・歯を大きく削る必要がある
・強い力が加わると割れたり欠けたりする
・保険が適用されない

<ダイレクトボンディング>
・変色しやすいので研磨などのメンテナンスが必要
・大きく歯が欠けている・むし歯の場合はできない場合がある

<歯肉整形>
・歯茎を切除したあと、歯茎が元の位置に戻ることがある
・術後に少し痛みや腫れがある場合がある
・保険が適用されない

歯並びのバランスを整える「歯列矯正」という選択

小さく見える歯を大きくする治療には上記のようなリスクが伴います。

また、一部の歯だけを整えたところ、お口全体のかみ合わせが悪くなる場合もあります。

かみ合わせが悪くなると顎の痛みや歪み、肩こりや頭痛の原因になるなど、身体全体に影響を及ぼします。

全体の歯並びやかみ合わせのバランスを整えながら治療できるのが矯正治療です。

矯正治療では歯を大きくすることはできませんが、歯が小さく隙間が空いている場合やガタガタの歯並びなどは矯正治療で問題を解決できます。

矯正治療にはワイヤー矯正・マウスピース矯正(インビザライン)があります。

ワイヤー矯正は歯の表面に器具を付けてワイヤーで歯を動かす治療ですが、どうしてもワイヤーが目立ちます。

一方、マウスピース矯正は透明なマウスピースを使用して歯を動かす治療で、装着していることが目立たず食事の際は取り外せます。

小さい歯を大きくしたい場合はマウスピース矯正(インビザライン)もご検討ください。

当院では無料カウンセリングを行っております。お気軽にご相談ください。

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